恥の多い人生の只中 仄暗い道を往く

自分を見つめると死にそうになるが、逸らし続けても死にそうな気配がしたので

医療機関への不信

久しぶりに精神科を受診した。どのくらい久しぶりかというと最後の通院からおよそ10年ぶりである。

このところ私は悩んでいた。なぜならば仕事を続けられないからである。
まわりにはころころ転職を繰り返している人間はいない。ごく狭い交友関係なので観測は困難であろうと思うのだが。親戚を見てみると、どうやら私の父方が会社勤めに向いていないようであるというのがはなんとなく感じるが実際どうなのかは不明。

昔から普通の人(ひどく乱暴で失礼な括りである)が何を考えているのかがわからないと思っていた。そしていわゆる普通の人はこんなに頻繁に就退職をしないものだ。しかし、どうして同じところに勤め続けることができるのか本当に謎である。就職活動が死ぬほど嫌いなのに人よりそれをせざるを得ない自分も相当謎だ。

そのあたりの解決の糸口がやはり自分と向き合うことだと思ったので、臨床心理士の相談に行ってきた。そのあたりのことは過日さらっと書いた通りである。

goi-san.hatenablog.com

 

そして先日、紹介されたクリニックに行ってきたのだ。
正直言って、以前通っていた精神科(転居等した関係で何軒かある)は何だったのだろうと思った。この15年ほどで精神科全体の様相が変わったのか、それともそもそもの診療方針の違いなのか。多分後者なのだろう。
私が通っていた精神科はいずれも総合病院の中にあった。当時20歳で立派な鬱状態であった私は大学の保健室で相談をした。多分自傷をしたからだと思う。そこで、先の総合病院精神科の受診を勧められたのだ。

以前通っていた精神科数軒の診療を乱暴にまとめると、初診で症状や家族についてある程度話を聞いて薬を処方、それ以降は薬を飲んでどうかを聞いてそれを反映させた処方を繰り返す、というものである。完全な対症療法だ。

そもそも私が鬱状態になったことに特段思い当たる原因がない。
(というか、診断名は不安神経症うつ病適応障害などバラバラではあった。それぞれの病名の違いは考えたことがない。ただ長期間続く抑うつ状態をなんとかしたかった。)
その原因を特定し解消や緩和しなければまた同じ状態になるのではと今ならば思うのだが、当時は薬を飲んだら比較的すぐ調子が良くなったので(それでも大学は1年間休学している)、深く考えることはなかった。そしてその後同じことを繰り返すのである。

正直言って鬱のひどかった20代の記憶はひどく断片的で思い出せないことも多い。
クリニックでの初診に向けて、年金や雇用保険の記録等から時系列の鬱関連記録をまとめると以下のような感じになる。
 2002年 ひどい鬱 自傷行為頻発 回復(一般的に社会復帰)まで1年強
 2006年 ひどい鬱 自殺未遂2回 回復まで2年弱
 2011年 軽い鬱 回復まで数か月
 2016年 軽い鬱 回復まで数か月
書いていて鬱々として来た。20代の半分は鬱状態なのではないか。

クリニックの初診で言われたことは
・周期的に鬱を繰り返している(後半ふたつが鬱だという自覚はなかった) 
・今現在、中程度の抑うつ状態と出ている(名前を憶えていないが何かのテストをした)
ADHDの傾向が強く出ている(上と同じテスト)
ADHDの傾向がある人は抑うつ状態になりやすく、治療は双方をケアし(語尾は忘れた)

・自殺未遂をしているのに入院をしていないのが????
というようなことである。
中程度の抑うつ状態と出たのは例のテストが直近7日間の状態についての回答で、臨床心理士に相談した後の落ち込みがまるまる入っていたからだ。
・食欲減退 ・夜中に目が覚める ・早く目が覚めてそこから眠れない
これだけで中程度の抑うつと判断されるのかと驚いた。鬱の入り口だと思っていたので。

いつからか、私は今までの精神科の診療態度に不信感を抱いていた。主に、完全な対症療法である点についてだ。しかし、どこにかかればよいのかがわからなかったため臨床心理士を頼ったのだ。
(余談だが、こと医療において、素人のクチコミは当てにしてはいけないものだと考えている。素人の評価点は主に人当り的なところに重きが置かれるからだ。)
そこで紹介されたのが先日かかったクリニックと、隣県の大学病院のふたつだった。距離的にはそれほど変わらないのだが、私はクリニックを選んだ。なぜならば大学病院は定期的に医師が入れ替わると思っているからである。長期的な観測者も必要なのではと思うのだ。

果たして紹介されたクリニックが光明となるのかは不明だが、少なくとも今までのところと比べると格段に私の現在の状態を詳細に、また、生育背景等も把握しようとしているように思う。非常に疲れる作業であるが、きちんとした診断を得るために私も真摯に向き合って行こうと思っている。